10年をふりかえって
(株)木の屋石巻水産 社員一同
東日本大震災よりもうすぐ10年となりますが、多くの方々にご支援いただき、お陰様で震災前の売上を回復することが出来ました。心より感謝いたします。
命と生活を繋いだ "希望の缶詰"
震災では工場の流失や事務所の全壊、また社員の家屋や車、そして魚市場や取引先も多くの被害を受けました。
震災で、社屋は壊滅状態になりました
木の屋のシンボルだった巨大タンクは津波により300m先まで流されました
震災直後は食料が無い中で、弊社の倉庫から津波で流されなかった缶詰を食べて生き永らえた方も多く、「希望の缶詰」とも呼ばれておりました。その後、社員やボランティアの方々と泥に埋まってしまっていた倉庫内の缶詰を拾い・洗い、缶詰をお渡しする代わりに義援金をいただく活動にて、社員の生活費に充てていました。
瓦礫や泥に埋まってしまっていた缶詰
缶詰を拾い洗う作業は8ヶ月続きました
缶詰を洗うボランティアの方
きれいに洗われた「希望の缶詰」
そして2011年12月にはすべての缶詰を拾い終え、同月より岩手県の委託先工場にて弊社社員を派遣し鯨大和煮缶詰の再開、震災から2年後の2013年3月には自社工場が完成し、多くの方々の支援とともに社員一丸となり再建に向けて頑張り、2016年度には震災前の売上まで戻すことが出来ました。
本来の意味での復興を目指し、これからの10年も
2013年完成 鯨をイメージしたデザインの「美里町工場」
しかし震災より10年が経過した現在も、石巻市内は未だ施設や道路の工事をしており、同業の水産加工会社閉鎖等の厳しい状況も含め復興の途上にあります。
ただ他の地域でも多くの災害が起こり、そしてコロナという全世界的な災害に見舞われる中、弊社では石巻港水揚げの魚にこだわり、ご当地の調味料や資材を活用し、地元での積極雇用等、地域の中で経済を回していくことを通じ、本来の意味での復興を目指し、これまでの10年も、これからの10年もしっかり地域に貢献・還元出来るよう社員一同頑張って参りたいと思います。合わせて災害により被災した地域へは、缶詰をメインとした支援物資の提供なども、引き続き行って参ります。
今後ともよろしくお願いいたします。
2021.01