群雄割拠の「清酒酵母」開発が生む日本酒の多様性と面白さ
日本酒を醸す上で欠かせないのが「清酒酵母」です。5〜10ミクロン(1ミクロンは1mmの1/1000)という小さな体で、アルコール発酵や風味に関わる様々な成分を生成する、すごい力を持つ生物です。
この「清酒酵母」ですが、多様なニーズや飲み方に対応すべく、(独)酒類研究所を中心に、各都道府県の研究機関、大学、民間企業など、産学官民が競うように研究、開発、分離を盛んに行い、現在、様々な種類の酵母が使われています。
日本醸造協会が頒布している「きょうかい酵母」はその代表格ですが、各県が開発した「県開発酵母」にも注目が集まっています。各県の研究機関が既存の酵母からさらに優れた酵母を選抜したり、その地域を代表する植物の花から分離したりするなど、全国で酵母が開発され、まさに群雄割拠の状況にあります。
こうした中、地域の活性化と産地の特性を活かした日本酒造りを目標に掲げ、県内の酒蔵が連携して県開発の酵母や原料米を使用する動きも強くなっています。この多種多様さが新しい時代の日本酒の面白さや魅力を生み出しています。
そこで今回の頒布会は、「県が開発した酵母で醸した純米酒」をテーマとしました。各蔵元が "県開発酵母" と地元で獲れた米を用い、"酵母" の特徴を最大限まで表現した、蔵元を代表する味わいの日本酒をお届けします。いずれも頒布会だけの特別仕様。地酒の新しい地平を切り拓く、個性溢れる美味しさをお楽しみください。
お酒の栞「酒談義」
お酒と一緒に、蔵元にまつわる物語を記したしおり「酒談義」をお届けします。この頒布会でしか楽しめない各蔵元の個性あふれるお酒の味を楽しみながら、「どんなところで、どんな人たちが、どうやって」そのお酒を生み出したのかと思いを巡らせて、お楽しみください。