お酒の歳時記

2023.06

プロが選んだうなぎに合う酒2023プロが選んだ 鰻に合う酒 2023

お酒のプロの方々に審査いただいた、うなぎの蒲焼きに合うお酒
今年の結果はこちら!

お酒のプロの方々に審査いただいた、うなぎの蒲焼きに合うお酒。今年の結果はこちら!

*価格は東京標準の参考価格です(2023年6月1日現在)。
地域、配送方法により異なる場合があります。
*商品のお求めは日本名門酒会加盟の酒販店まで。

貴重なうなぎを美味しい日本酒とともに

2023年夏の「土用丑の日」は7月30日(日)。
近年、希少価値のあがるうなぎですが、せっかくいただくのなら、
美味しさを最大限に引き出してくれるお酒と一緒にぜひ。

2023年夏の「土用丑の日」は7月30日(日)。近年、希少価値のあがるうなぎですが、せっかくいただくのなら、美味しさを最大限に引き出してくれるお酒と一緒にぜひ。

夏の「土用丑の日」といえばうなぎですが、実際、どんなお酒がうなぎに合うのか、日本名門酒会では2006年から毎年、有志加盟店やうなぎや日本酒に造詣の深い方々をお招きして、本部スタッフとともに相性を審査してきました。今年も通算16回目にあたる「鰻に合う酒」の審査を開催。その結果をご紹介します!

夏の「土用丑の日」とうなぎ

夏の「土用丑の日」といえばうなぎ。1年でいちばん暑いと言われるこの日にうなぎを食べる習慣が定着したのは江戸時代のことで、一説には平賀源内が考案した広告戦略がきっかけとも言われていますが、真偽のほどは定かではありません。

なにはともあれ、うなぎは夏の伝統スタミナ食として愛されてきました。万葉集の大伴家持も  石麻呂に吾物申す夏痩によしと云ふものぞむなき取りめせ と、夏痩せした友人にうなぎを勧めています。東洋医学ではうなぎには強精強壮作用があるといいますし、実際、疲労回復にきくビタミンB1も豊富に含まれているとか。

最近では稚魚の不漁が伝えられ、ニホンウナギが絶滅危惧種に指定されるなど、うなぎを巡る環境は厳しいものがあります。今年の土用丑の日は、日本伝統の食文化であるうなぎをめぐる状況も考えながら、せっかくのうなぎに巡り会ったなら、大切に、美味しくいただきたいもの。その美味しさを最上級に引き出してくれるお酒を、ご紹介します。

うなぎとお酒を合わせる楽しみ

一口にうなぎの蒲焼きと言っても、うなぎそのものの質はもとより、焼き加減、タレの味、山椒・山葵などの薬味の種類でさまざまな味わいに変化します。ここでご紹介する結果はとある名店のうなぎと合わせた結果にすぎませんので、あくまで参考として、ぜひ御自身でお試しを。

今や貴重なうなぎだからこそ、ぴったり合うお酒で最大限の美味しさを引き出して、じっくりお楽しみください。また、合わせるお酒によって、同じうなぎが見せる表情の違いを楽しんだり、蒲焼き風に調理した他のお魚やお肉と合わせてみるのも面白いと思います。

審査風景

審査風景1 審査風景2

今回は日本名門酒会本部が選び抜いた日本酒8アイテムと、初回から11年連続1位の評価を得て殿堂入りした「西の関」を合わせた計9アイテムを用意。これを常温かつブラインドでうなぎの蒲焼きと合わせ、その相性を審査していきました。

合わせたのは日本橋小伝馬町にある明治2年創業の老舗「鰻料理 近三(きんさん)」のうなぎの蒲焼き。山椒の使用はお好みで。

審査員には日本名門酒会加盟店である「(株)三浦屋」(東京)の酒類バイヤー・若林 智さん、「岩田屋商店」(東京)の三代目代表・岩田謙一さん、日本酒とうなぎに造詣の深い漫画家のラズウェル細木さん、(有)月刊日本橋「うなぎ百撰」編集長の堺美貴さんをお迎えし、これに本部スタッフを加えた計9名が参加。

「味わいに陰影を付ける奥行きのあるお酒がうなぎには合う」「うなぎと合わせるにはガツンとしたタイプをカウンター的にぶつける手もあるとは思いますが、ソフトに包み込むタイプの方がうなぎ向きかも」「酒の熟成感からくるヒネ香と蒲焼の香ばしさが意外に合うという発見も」と、実際に試して改めてわかる面白さがありました。上位3位に輝いた結果プラスαをここにご紹介しますので、うなぎもお酒もさらに美味しくなるそれぞれの相性の良さや面白さを、皆様もぜひお試しください。


「プロが選んだ 鰻に合う酒」2023年ベスト3 !

殿堂入

西の関

第1位

一ノ蔵

第1位

香露

第3位

梅錦

番外編

華鳩

殿堂入

西の関「手づくり純米酒」特別純米[大分]

うなぎと一体となる相性の良さで
11年連続No.1、12年目から殿堂入り!


「うなぎに合う酒」審査の初回からうなぎとの相性の良さで10年以上不動の一位に輝き続け、殿堂入りした「西の関 手づくり純米酒」。とろけるような上質の甘やかさと旨味、柔らかな酸のバランスが絶妙で、冷やでもお燗でもいけるお酒です。うなぎの旨味とタレの甘味に酒のふくよかな旨味が一体化しさらなる高みに登る、圧倒的な相性の良さをぜひご堪能ください。

【試飲コメント】

  • 米由来の香りや甘味、やわらかな口当たりが鰻を包み込み、鰻重そのものを表現しているかのようなマリアージュ。
  • とろける甘さと酸のバランスが好相性で、もともと美味しい酒と鰻がさらにワンランク上の味わいになる。まさに殿堂入りの酒。
  • 鰻の強さと濃さを包み込む感じがこの酒の凄さと感じる。
  • 鰻の繊細な味わいが溶け合う相性。酒も鰻も旨くなる。

第1位

一ノ蔵「特別純米酒」 特別純米[宮城]

上品でやわらかな味わいがうなぎに寄り添う


宮城の銘醸蔵の、お米由来の風味を充分に楽しめるよう醸された特別純米酒。きれいな甘さと柔らかで品良い旨味、後味に心地よい余韻が広がり、冷やでもお燗でも楽しめます。上品でやわらかな味わいがうなぎに寄り添い、お互いの美味しさを引き立て合います。

【試飲コメント】

  • 酒がやわらかくまろやかで、鰻の脂のやわらかさとマッチし、綺麗な酸味が脂を流す。酒とタレ双方の甘味の相性も非常に良い。
  • 鰻と合わせることで、お互いに「もっと食べたい!もっと飲みたい!」と思わせ引き立て合う間柄。
  • 酒の上品な甘さと瑞々しいフレッシュ感が鰻の旨味を引き立てる。
  • 鰻の脂やボリューム感に心地よくマッチし、2杯3杯と杯を重ねられる。鰻に寄り添う酒。

第1位

香露「特別純米酒」 特別純米[熊本]

お酒のキレイな熟成香がうなぎと調和する好相性


吟醸造りを牽引してきた9号酵母発祥蔵の、厚みがあり豊かな味わいの特別純米酒。甘味・旨味がしっかりある味わいながら、ほどよい酸味があり、後切れキレよく、ぬる燗にしても楽しめます。旨味・酸味のバランスの良い味わいが、うなぎの蒲焼きの美味しさをトータルに引き出してくれます。

【試飲コメント】

  • 若干の熟成感がアクセントとなり、鰻の脂やタレの甘味、焦げの香ばしさが見事に調和しキレも良い。
  • やや熟した味わいが、焼いた鰻の香ばしさと調和し、酒の甘味とタレも調和。どちらの個性も活きている。
  • 熟成感と酸味が、鰻の旨味、焦げの香りを上手く引き立てる。ボディもしっかりしているのでタレとの相性も良く、香り、味ともに鰻と同調しバランスもよい。
  • 熟成感の中に華やかさもあり、酒の味わいと鰻の旨味が同調し、鰻の良い点をさらに目立たせる印象。

第2位

梅錦「純米吟醸原酒 酒一筋」 純米吟醸[愛媛]

押しの強い旨味がうなぎを包み込み受け止める


愛媛の銘醸蔵の原点ともいえる純米吟醸原酒。原酒ならではの濃厚な香りと、それに負けない押しの強い旨みを持ち、コクのあるなめらかな飲み口は、愛飲家から「梅錦の黒ラベル」と長く愛されてきました。濃厚な旨みのある料理と合うお酒は、うなぎとも見事な愛称を披露。

【試飲コメント】

  • 酒の旨味が濃く、鰻と好相性。酒と鰻がどちらも美味しく感じられ、主従なく対等な関係。
  • 少しまったりとしたやわらかな口当たりが皮目の食感とよく合う。大らかな米の旨味が鰻の味わいを優しく受け止める。
  • 酒のややカラメル感と香ばしい香りと甘味が焼いたタレに合い、包み込んでくれるような印象。

番外編

華鳩「貴醸酒 しおり」 貴醸酒[広島]

酒とうなぎの旨味と甘味が見事にマッチ!


酒で酒を仕込む、という日本の古い製法を復活させた貴醸酒。8年以上長期熟成させた貴醸酒をブレンドした「しおり」は、琥珀色に輝き、貴腐ワインのように濃密で上品な甘さと、熟成による深くリッチな味わいが魅力です。「鰻に合う酒」で試したところ、「酒をさらに面白くする相性」「一度試してみて!と伝えたくなる」と高評価!

【試飲コメント】

  • 通の合わせ方。熟成による旨味、甘味、丸みが蒲焼と好相性で面白い組合せ。
  • 鰻の香ばしさを引き立てるスモークのような熟成感が奥行きのある深い味わいとマッチ。
  • 貴醸酒を味わうための肴として楽しむのに、「鰻の蒲焼」はとても面白い存在。
 
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