お酒の歳時記

2024.06

プロが選んだうなぎに合う酒2024プロが選んだうなぎに合う酒2024

お酒のプロの方々に審査いただいた、うなぎの蒲焼きに合うお酒
今年の結果はこちら!

お酒のプロの方々に審査いただいた、うなぎの蒲焼きに合うお酒。今年の結果はこちら!

にしのせき こうろ いちのくら だいしち

*価格は東京標準の参考価格です(2024年6月1日現在)。
地域、配送方法により異なる場合があります。
*商品のお求めは日本名門酒会加盟の酒販店まで。

貴重なうなぎを美味しい日本酒とともに

2024年夏の「土用丑の日」は7月24日(水)と8月5日(月)。
近年、希少価値のあがるうなぎですが、せっかくいただくのなら、
美味しさを最大限に引き出してくれるお酒と一緒にぜひ。

2024年夏の「土用丑の日」は7月24日(水)と8月5日(月)。近年、希少価値のあがるうなぎですが、せっかくいただくのなら、美味しさを最大限に引き出してくれるお酒と一緒にぜひ。

夏の「土用丑の日」といえばうなぎですが、実際、どんなお酒がうなぎに合うのか、日本名門酒会では2006年から毎年、有志加盟店やうなぎや日本酒に造詣の深い方々をお招きして、本部スタッフとともに相性を審査してきました。今年も通算17回目にあたる「鰻に合う酒」の審査を開催。その結果をご紹介します!

夏の「土用丑の日」とうなぎ

夏の「土用丑の日」といえばうなぎ。1年でいちばん暑いと言われるこの日にうなぎを食べる習慣が定着したのは江戸時代のことで、一説には平賀源内が考案した広告戦略がきっかけとも言われていますが、真偽のほどは定かではありません。

なにはともあれ、うなぎは夏の伝統スタミナ食として愛されてきました。万葉集の大伴家持も  石麻呂に吾物申す夏痩によしと云ふものぞむなき取りめせ と、夏痩せした友人にうなぎを勧めています。東洋医学ではうなぎには強精強壮作用があるといいますし、実際、疲労回復にきくビタミンB1も豊富に含まれているとか。

最近では稚魚の不漁が伝えられ、ニホンウナギが絶滅危惧種に指定されるなど、うなぎを巡る環境は厳しいものがあります。今年の土用丑の日は、日本伝統の食文化であるうなぎをめぐる状況も考えながら、せっかくのうなぎに巡り会ったなら、大切に、美味しくいただきたいもの。その美味しさを最上級に引き出してくれるお酒を、ご紹介します。

うなぎとお酒を合わせる楽しみ

一口にうなぎの蒲焼きと言っても、うなぎそのものの質はもとより、焼き加減、タレの味、山椒・山葵などの薬味の種類でさまざまな味わいに変化します。ここでご紹介する結果はとある名店のうなぎと合わせた結果にすぎませんので、あくまで参考として、ぜひ御自身でお試しを。

今や貴重なうなぎだからこそ、ぴったり合うお酒で最大限の美味しさを引き出して、じっくりお楽しみください。また、合わせるお酒によって、同じうなぎが見せる表情の違いを楽しんだり、蒲焼き風に調理した他のお魚やお肉と合わせてみるのも面白いと思います。

審査風景

審査風景1 審査風景2

今回は日本名門酒会本部が選び抜いた日本酒8アイテムと、初回から11年連続1位の評価を得て殿堂入りした「西の関」を合わせた計9アイテムを用意。これを常温かつブラインドでうなぎの蒲焼きと合わせ、その相性を審査していきました。

今回、合わせたのは、関東では珍しく、関西風に蒸さずに焼く"地焼きの蒲焼き"。山椒の使用はお好みで。

審査員には日本名門酒会加盟店である「(有)長塚商店」(東京)の代表取締役・長塚信一さん、「(株)水橋」(東京)の営業部・佐田洋士さん、日本酒とうなぎに造詣の深い漫画家のラズウェル細木さん、(有)月刊日本橋「うなぎ百撰」編集長にして(一社)全国鰻蒲焼商協会 事務局長の堺美貴さんをお迎えし、これに本部スタッフを加えた計8名が参加。

「審査会は美味しく楽しかったが、審査は難しかった」「鰻に合う日本酒は、タレの甘味、鰻の脂、皮の焦げがポイントになると思う」「熟成感のあるお酒は鰻と合う、と再確認」「同じ蒲焼きでも、蒸しが入るか地焼きかでお酒との相性も変わる、という印象」「バランスの良い酒が多く、相性の良くないものはなかった」「地焼きのせいか、部分によって脂分や食味が異なり、どの部分を食べ合わせたかによっても結果が左右するかもと、面白い経験」と、実際に試して改めてわかる面白さがありました。上位3位に輝いた結果をここにご紹介しますので、うなぎもお酒もさらに美味しくなるそれぞれの相性の良さや面白さを、皆様もぜひお試しください。


「プロが選んだ 鰻に合う酒」 2024年ベスト3 !

殿堂入

西の関

第1位

香露

第2位

一ノ蔵

第3位

大七

殿堂入

西の関「手づくり純米酒」特別純米[大分]

うなぎと一体となる相性の良さで
11年連続No.1、12年目から殿堂入り!

うなぎと一体となる相性の良さで11年連続No.1、12年目から殿堂入り!


「うなぎに合う酒」審査の初回からうなぎとの相性の良さで10年以上不動の一位に輝き続け、殿堂入りした「西の関 手づくり純米酒」。とろけるような上質の甘やかさと旨味、柔らかな酸のバランスが絶妙で、冷やでもお燗でもいけるお酒です。うなぎの旨味とタレの甘味に酒のふくよかな旨味が一体化しさらなる高みに登る、圧倒的な相性の良さをぜひご堪能ください。

【試飲コメント】

  • 酒の旨味と酸味、熟成感がみごとにマッチ。鰻の脂の旨味と酒の旨味、酸味が口中でまろやかにまとまる。
  • やはりさすがの相性。香ばしい香りと熟成感ある旨味に合い、脂切れも良い。
  • 鰻と合わせると味わいが一体化するような感じがして飲み飽きない。どんな鰻にも合うのはさすが。
  • やわらかい酒の甘味がタレの甘味ともマッチする。熟成感もほどよい。

第1位

香露「特別純米酒」 特別純米[熊本]

『西の関』と僅差の高得点!
鰻の香ばしさと酒の熟成感がマッチする旨味倍増の好相性

『西の関』と僅差の高得点! 鰻の香ばしさと酒の熟成感がマッチする旨味倍増の好相性


吟醸造りを牽引してきた9号酵母発祥蔵の、厚みがあり豊かな味わいの特別純米酒。甘味・旨味がしっかりある味わいながら、ほどよい酸味があり、後切れキレよく、ぬる燗にしても楽しめます。旨味・酸味のバランスの良い味わいが、うなぎの蒲焼きの美味しさをトータルに引き出してくれます。

【試飲コメント】

  • 酒の熟成感に鰻の旨味と脂が加わることで、より酒の旨味が増し、鰻の旨味も倍増して広がり美味しい。
  • 地焼鰻の皮目のパリパリ感とタレとの相性がとても良く、鰻の脂に負けない強さがある。鰻を受け止めるというよりは、酒のほうから主張するカウンターパンチ系の好相性。
  • ヒネ味ともいえるしっかりとした酒の個性がパズルのように鰻と組み合わさり美味。余韻も美味しい。
  • 鰻の焼きの香ばしさと酒の熟成の香ばしさが非常にマッチ。鰻の脂も包み込むようなやわらかさ。
  • 熟成感のある酒の味わいと鰻とのバランスがとても良く、酒の旨味と焦げた皮の香りにも負けず、鰻とタレがよく絡む。

第2位

一ノ蔵「特別純米酒」 特別純米[宮城]

上品でやわらかな味わいが鰻に寄り添い溶け合う


宮城の銘醸蔵の、お米由来の風味を充分に楽しめるよう醸された特別純米酒。きれいな甘さと柔らかで品良い旨味、後味に心地よい余韻が広がり、冷やでもお燗でも楽しめます。上品でやわらかな味わいがうなぎに寄り添い、お互いの美味しさを引き立て合います。

【試飲コメント】

  • 酒の甘味旨味と、タレの甘味、鰻の脂の旨味が溶け合い、鰻をより美味しく感じる。酒が進む相性。
  • 完全なる一体感。このお酒を合わせることで完成する一つの料理のよう。口中で一つにまとまる。
  • 酒の甘味がタレと調和し、優しく包み込む印象。後口も優しく、鰻がしっかり味わえる。
  • 適度な甘味と酸味が爽やかさもあって、鰻がスッと入っていく印象。

第3位

大七「純米生酛 CLASSIC」 生酛純米[福島]

これが相性の良さなのか! と実感する好相性


生酛造りに長けた福島の銘醸蔵が、"フルーティーな大吟醸に対応する、うま味豊かなフルボディの高級酒"を、と取り組んだ生酛純米酒。兵庫県特A地区の山田錦を100%用い、しっかり熟成させました。濃密な旨味が押し寄せる深く豊かな味わいは、冷やでもお燗でも美味しく、料理と合わせてお酒も料理も楽しく。うなぎとも見事な相性を発揮。

【試飲コメント】

  • 鰻の香ばしさとタレの甘味に酒の旨味と酸味が見事にマッチ。若干の酒の熟成感が功を奏し、これが相性の良さかと実感。
  • 鰻の旨味や脂と酒の旨味が好相性でバランスが良く、ボリューム感もある。
  • 香味が調和し、どっしりとした相性。余韻も心地良い。
  • ほどよい酸味が鰻の脂をスッと切ってくれるので、この酒と合わせることで鰻が進む相性。
 
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