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和の伝統調味料index】>> みりん>>みりんの基礎知識

伝統的な造りによる本みりんとは

◆ みりんの誕生

みりんが誕生したのは、今から500年ほど昔の室町時代。当時、高級酒として好まれていた甘い酒を造りだすために、焼酎の中に「もち米」 と「米麹」を仕込んだのが、その原形です。

南蛮渡来の蒸留技術と、日本古来の麹文化が出会って生まれたこのお酒は、密林酒、蜜醂酎などと呼ばれていました。今よりもサラリとしたほのかな甘さで、高級酒として珍重され、また、当時は手に入れがたかった砂糖に代わる高級甘味料として用いられていました。

◆ 甘味滋養飲料として

誕生の経緯をみてもわかるように、みりんは甘い酒として飲用されていました。江戸時代にはお酒の飲めない人をみりんでもてなす慣習もあったとか。また、みりんに焼酎を加えたものは" 本直し(柳陰)" と言い、夏場には冷やしたものが甘味滋養飲料として、愛飲されていました。

◆ 醤油と出会い料理界に進出

みりんがそのポジションを大きく変えたのは、江戸時代に醤油と出会ってからのこと。みりんの糖分と醤油のアミノ酸によって生まれるツヤ、香り、旨みなどが重宝されるようになったのです。醤油、砂糖、昆布、鰹節などとともに、当時の食文化に大きな革命をもたらし、現在まで続く和食の基礎を築きました。

◆ 戦中・戦後の不運

ではなぜ、「みりん= 調味料」の図ばかりが独り歩きして、甘味滋養飲料であるという認識が失われたかというと、昔ながらの造りの本みりんが、市場からほとんど姿を消してしまったから。戦中・戦後の米不足の折にみりん製造を禁止され、解禁後も贅沢品として高い税金をかけられたため、その製造は激減。アルコールと水アメを加えて作るみりんやみりん風調味料など、そのままでは飲めないみりんが世を席巻するようになってしまいました。

しかし、伝統的な本みりんの系譜は脈々と生き、和食においては なくてはならないものとして、愛用・愛飲されています。

みりんのできるまで

【原料】もち米・米麹・焼酎

・米は米でも「もち米」を使います。清酒と同様に蒸し米にします。
・米麹は焼酎の中でも生きられる麹菌によるもの。
・仕込み水は使いません。約40度の本格焼酎を用います。

【仕込み】

みりん独特の甘味はおおざっぱに言うと「もち米のでんぷんを麹によって糖化」させて造られます。だから伝統的な本みりんの甘さは、お米由来の自然でやさしい甘さ。このとき、もち米のタンパク質も分解され、アミノ酸などの旨みもうまれてきます。さらに本格焼酎の成分など、いろいろな要素が影響しあって、みりんのモロミができていきます。90日ほどでみりんモロミのできあがり。

【熟成】

モロミを搾ったあと、じっくりと熟成させます。熟成期間は約1〜3年。熟成させることによってまろみが生まれ、複雑で独特の風味をもつ本みりんができあがります。


みりんの見分けかた

◆ 本みりんのチェックポイント

“みりん”と一口に言っても、みりん風調味料などが混在してまぎらわしいのですが、その違いをまとめてみました。

 || 原料をみる ||

原料が「もち米・米麹・本格焼酎」でできているのが伝統製法による本みりんです。

 || 味見をしてみる ||

手元にあるみりんを舐めてみて、もうひと舐めしたくなるほどリ美味しければ、伝統製法による本みりんです。

原料

特徴

伝統的製法の
本みりん

もち米・米麹・本格焼酎

・江戸時代に確立された製法によって造られる伝統的な本みりん。

・本格焼酎に蒸したもち米と米麹を加えて仕込み、じっくり熟成させて造られる。

・アルコールを14%含む酒類。

さわやかな甘味と自然の旨みをもち、そのまま飲んでもリキュール感覚で美味しい。

標準的製法の
本みりん

もち米・米麹・醸造アルコール・水アメ

・戦後、米不足の頃に開発された製法で、同じ量のもち米から、伝統的製法の約3倍ほどの量を造ることができる。

・三増酒のように、蒸したもち米と米麹に、アルコールと水アメを加えて、香味を調整し、短期間で造られる。

・アルコールを14%含む酒類。

甘さが強く、飲めないことはないが美味しくはない。

みりん風調味料

水アメやブドウ糖・ 化学調味料など

・合成酒のように化学的に醸造される、みりんに似せた調味料。

・水アメやブドウ糖に、化学調味料を混合して造る。

・アルコールは含まない。

飲めたものではない。

発酵調味料

雑穀・醸造用アル コール・塩

・化学的に製造される、みりんに似せた調味料。

・雑穀を糖化し、一部アルコール発酵もさせた調味液に、醸造用アルコールと塩を加えて造られる。

・アルコールを含むが、塩を加えているため酒類ではない。

飲めたものではない。

料理をグレードアップさせる

◆ 料理の中の役割

伝統的製法で造られた本みりんは、料理に甘みや旨みを加えるだけではありません。そこまでしてくれるの? と驚くの八面六臂の活躍ぶり。いい仕事をしてくれます。

上品な甘味をつける
ブドウ糖やオリゴ糖など醸造過程で生まれたさまざまな種類の糖類が溶け込んでいるため、みりんの甘みはふくよかで柔らか。砂糖のように単調で強い甘みではなく、上品な甘みを加えます。
コクのある旨みをつける
もち米由来のタンパク質から生まれる、まろやかでコクのあるやさしい旨みです。
味を浸透させる
本みりんはアルコール分を含むため、甘みも旨みも材料によく浸透します
見た目をよくする
料理にテリ・ツヤをつけ、より美味しそうに仕上げます。焼き物の場合は、きれいな焼き色がつきます。
身を締める
料理の素材を引き締める働きがあり、煮くずれも防ぎます。同時に、味が外に溶け出してしまうのも防ぎます
臭みをとる
魚の生臭さなどの嫌な臭いを消します。また、みりんの良い香りの成分が、料理の持ち味をさらに引き立てます。
味を調える
味付けを多少失敗したときも、後から加えて味を整えられます。

◆ プロはもちろん料理初心者の強い味方

「おいしい料理は良い調味料から」とこだわりこだわりを持つプロのみならず、伝統的製法の本みりんは、料理下手や料理初心者にも、強い味方。というのも、良い本みりんが甘み&旨み調味料として完成されているからです。

みりん風調味料は、味が単純なのでごまかしがきかず、他の調味料で微調整しなくてはいけません。が、本みりんは平凡な料理もおいしくまとめてしまいます。また、本みりんなら、うっかり使いすぎても「ちょっと味が濃くなった」 くらいで納まり、適当な分量を投入しても失敗しないのが嬉しいところ。

煮物や照り焼きなどの基本の和食はもちろん、お味噌汁にちょっと加えたり。みりん一つで、料理のグレードがアップし、自慢料理が増えて、食べる人も喜ぶ──良い本みりんは、幸せな食生活をもたらしてくれます。

◆ 飲んで美味しい

もともと本みりんはお酒の一種。その甘さは、もち米由来の自然でやさしい甘さ。昔ながらの製法で造られた本みりんは、 甘口のリキュール感覚でおいしくいただけます。

お屠蘇に使っておいしく、レモンをしぼればまるでイタリアのリモンチェッロのように、爽やかな風味と深い甘味が走り抜け、それまでのみりんの概念を覆されます。

おすすめ本みりん

 
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