日本名門酒会 蔵元紹介

蔵の概要

環境

環境

与那国の海底遺跡:島の南岸・新川鼻から沖合約100mの海底にある巨石群。1986年に発見され、文化史を書き換える海底遺跡ではないかと国内外から熱い注目を浴びている。ダイビング・スポットとしても人気。

蔵のある与那国島は日本列島の最西端、台湾まで約110kmの国境に位置し、晴れた日にはその島影を臨むこともできる熱帯の島です。周囲約28kmの小さな島ですが、島の中央部を走る山系が変化に富んだ地形をつくり、豊かな自然に覆われています。世界最大の蛾「ヨナクニサン」や日本在来馬「与那国馬」の生息地でもあり、最近では島近くの海底に巨石群が見つかり話題にも。先人達によって育まれた伝承文化にも恵まれています。無形文化財の伝統芸能や与那国織、そして泡盛もその一つで、特に「花酒(はなさき)(*1)」はここ与那国だけに製造が認められています。蔵は空港からほど近い、北牧場近くの山裾の、田んぼや八重山アオキやサトウキビ畑に囲まれた静かな環境に建ちます。

*1 花酒(はなさき):花酒とは蒸溜の際に一番最初に出てくるアルコール度数の高い泡盛のこと。泡盛は1回だけの蒸留で酒を造るため、蒸留時間とともにアルコール度数は低下していきますが、この蒸留初期に流れ出た度数の高い泡盛のみを製品化します。アルコール度数が60度ほどもあり、45度以下という通常の泡盛からの定義には外れるものの、その歴史性を鑑みて与那国島のものだけは泡盛と名乗ることが認められています。酒税法上はスピリッツ類に分類されています。


歴史

歴史

平成19年に稼働した酒蔵。裏手から見たところ。田畑に囲まれて建つ2階立ての赤い屋根が目印。

蔵の創業は昭和24年(1949年)。与那国の中心集落・祖納で、戦後のアメリカ統治下で民間に酒造免許が交付されたこの年、入波平酒屋として泡盛の製造を始めました。昭和25年(1950年)に国泉泡盛となりましたが、平成元年(1989年)に入波酒造として改めて独立し、酒銘を「舞富名」としました。“まいふなぁ”とは親孝行という意味で、その昔、村一番の親孝行者や働き者は首里城に招かれ琉球国王に拝謁する栄誉にあずかり、帰った村では“まいふなぁ”と呼ばれ賞賛されたとか。それに由来する酒銘には「舞うように楽しく飲み、富が増えるように働き、名を残す」"まいふな"の精神を世の中の人が持てるように助けたい、という願いが込められています。平成13年(2001年)に株式会社化し、平成19年(2007年)に現在の地に新工場を竣工しました。


造り

造り

酒造蔵内部。機能的ですべての工程においてきめ細やかな管理が行える。

与那国島にある3つの酒造所で、古酒(クース)造りに力を入れているのが、この舞富名の蔵元です。20年長期熟成した60度の花酒もあります。年間を通じて酒造りのできる環境にあり、黒麹の全麹仕込みで蒸留、いっさいの添加物を使用していません。酒造りの最初から最後まで入波杜氏が一人で工程管理を行っており、年中の気温差等による変化を感じながら、黒こうじの特徴を生かし、各工程で温度・品質管理を行い、甘やかでフルーティな味わいを目標に酒を醸しています。「新酒で美味しい酒でなければいい古酒にはなりえない」と、酸のやわらかな醪が生み出すその酒は、アルコール度数が60度もありながら香り高く甘やかでまろやかな口当たり、熟成してさらに深みを増していきます。


味わい&合う料理

食

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花酒は長期熟成させることによって最高の秘蔵酒となり、体全体をも包み込むダイナミックな香りとまろやかな味わいを楽しめます。アルコール度数の高さにもかかわらず、喉元でころがるようなまろやかな口当たり。

蔵元おすすめ酒に合う地元のうまいもん

・地元でとれるカジキのカツオ等の刺身、揚げ物や漁汁
・ゴーヤチャンプル、野菜炒め、フー炒め
・豆腐よう
・鰹の塩から
・パパイヤのいため物、酢の物


蔵元見学

蔵

駐車場から続く蔵の入り口

 

*事前にご連絡を。
*見学コースは2階の麹作りから仕込みの醪室まで案内。
*事務所・売店で試飲や販売もあります。

アクセス 飛行機:与那国空港→県R216久部良集落方面、車で約3分
船:久部良港フェリーターミナル→県R216祖納集落方面


周辺情報

与那国島(与那国町役場)

沖縄観光情報webサイト 真南風プラス

沖縄県酒造組合連合会