日本名門酒会 蔵元紹介

蔵の概要

環境

環境

高山植物の群生地もある標高2,052mの櫛形山。中腹には契約栽培の棚田も広がる。

山梨県甲府盆地の南端の街・増穂町は、東に富士山塊を臨み、街の中心を駿河湾に注ぐ富士川が流れる南アルプスの前衛・櫛形山の麓にあります。古くから甲斐(山梨)と駿河(静岡)を結ぶ富士川水運の起点・青柳河岸の街として栄え、最盛時には6軒の酒屋が軒を連ねていたといいます。四季折々に見せる渓谷や飛瀑などの美しい景観は、この地方ならではのもの。町の最高点(2,052m)を頂く櫛形山には660種を超える植物が自生し、なかには、シナノキンバイなどの高山植物の群生地もあります。盆地特有の気候は、昼夜、夏冬の寒暖差が激しく、冬の寒さはひとしおです。この町の中心、国道52号線沿いに築180年という蔵を構えた「春鶯囀」の蔵元があります。


歴史

歴史

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初代当主・萬屋八五郎が現在の地に酒蔵を開いたのは寛政2年(1790年)。創業当時の酒銘は「一力正宗」でしたが、6代目当主・中込旻の弟でフランス文学者・中込純次と親交のあった歌人・与謝野晶子が昭和8年(1932年)に蔵に来訪。「法隆寺など行く如し甲斐の御酒春鶯囀のかもさるる蔵」と詠んだことから、「春鶯囀」と名を改めました。平成に入ってからは酒造好適米の契約栽培に乗り出し、酒米生産のなかった地元・増穂町で、《玉栄》の栽培を皮切りに《美山錦》《ひとごこち》などの栽培に着手。地元米比率を高めています。平成13年(2001年)に旧蔵を改装した酒蔵ギャラリー六斎をオープンし、試飲スペースとして用いるほか、アーティストの個展を開催しています。


造り

造り

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仕込み水には南アルプス最南端「櫛形山」のやや硬水の伏流水を使い、純米酒中心の寒造りを行っています。良質の米を求め、酒米栽培のなかった地元増穂町周辺で酒米の契約栽培を立ち上げ、専業農家「鷹座巣酒米の会」が栽培した《玉栄》《美山錦》《ひとごこち》などを中心に使用。特に櫛形山中腹の平林地区では放棄された棚田を地元住民と協力し復活させ、優良米を栽培しています。清涼な南アルプスの恩恵を受け、"地元の顔の見える酒" を醸しています。


味わい&合う料理

食

春鶯囀の味わいは、うっすらと上品な酸味を伴う柔らかい旨味のやや辛口タイプ。 その名が示すように山国、甲斐の春を思わせるほのぼのとした風味が魅力です。

蔵元おすすめ酒に合う地元のうまいもん

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