日本名門酒会 蔵元紹介

蔵の概要

はくれい しゅてんどうじ

ハクレイ酒造(株)

蔵元外観


環境

環境

大江山連峰由良ヶ岳より流れ出て湧く「不動の滝」。超軟水のこの清水が、仕込み水となります。

京都府宮津の丹後由良は、海のある京都。蔵はゆったりと流れる由良川の河口近く、眼前に日本海、後ろに大江山連峰由良ヶ岳を控え、海と山にはさまれた風光明媚な砂州に位置します。万葉の頃は「由良の戸を、わたるふなびとかぢをたへ、ゆくえもしらぬ恋の道かな」と百人一首にうたわれ、また、森鴎外の小説で有名な「山椒太夫」の舞台となったことでも知られています。江戸時代以来、名勝天橋立をひかえた観光の町として、また西廻り航路の立寄る若狭湾の港町として発展してきました。日本海に面していることもあり冬の寒さは厳しく、背後の大江山連山の由良ヶ岳に湧く清水は仕込み水となり、酒造りに適した環境となっています。


歴史

歴史

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蔵の創業は天保3年(1832年)。蔵元はもともと廻船問屋だったといい、5代目・六右衛門のとき、田辺藩の藩主・牧野丹後守より所領から納められる年貢米を使った酒造りの許可を得て創業しました。創業時の石数はわずか35石ながら、13年後の安政末年には120石と増石。そのとき使用されていた天保蔵は、現在も現役で活躍しています。銘柄「白嶺」は厳寒の日の朝に由良ヶ岳がすっぽりと雪に覆われた幻想的な景色に由来し、「酒呑童子」は仕込み水の源流地・大江山連峰の赤鬼伝説にちなみます。戦前は軍港であった舞鶴の海軍御用達酒の指定を受け、戦後も地酒としての矜恃を保持。平成20年(2008年)現在、全国新酒鑑評会で平成13年度より5年連続の入賞、3度の金賞を受賞するなど、香りと味の良好なバランスを生む技術力が高い評価を得ています。


造り

造り

圧力を加えずしたたり落ちる酒の雫だけを集める「袋吊り」による搾り。

仕込み水には大江山連峰・由良ヶ岳の中腹より流れ出し「不動の滝」より湧き出す清水を使用。超軟水でありながら甘口辛口とも自在に譲すことのできる不思議なこの水は"不動山水" と呼ばれ、「酒呑童子」の原点となります。米は京都産の良質米を中心に使用。平成11年(1999年)に酒米の王者《山田錦》の契約栽培にこぎつけて以来、《五百万石》《祝》など、町おこしと一体となった地元丹後での酒米栽培も広がり、地酒としての個性をますます強くしています。日本海の冬の厳しい気候のもと、キレの良い、やわらかな旨さの酒を醸しています。


味わい&合う料理

食

丹後の冬の味覚「松葉ガニ」。

蔵元自慢の水で醸す酒は、おだやかな甘さをともなう香りがあり、ふくよかな旨味をもった素直な味わい。甘口はすっきりと、辛口はなめらかに感じさせるお酒です。

蔵元おすすめ酒に合う地元のうまいもん

丹後にはうまいもんが、ぎょうさん、揃うてます! 冬の味覚と言えばやっぱり松葉ガニ

毎年11月になると松葉ガニ漁が解禁になります。一時期減少した漁獲量を戻すために、カニを獲る人・カニを育てる人・カニを商う人・カニを料理する人、そしてカニ博士など多くの人がお互いに知恵を出し合ってカニの生態を知り、しっかり成長できる環境をつくってきました。こうして多くの人々の手により守り育てられてきた松葉ガニは、焼きガニ・ゆでガニ・カニみそ・カニの天ぷら・カニすき鍋にしてよし。そのおいしさだけはいくら美辞麗句で説明しても説明しきれません。どうぞその味を確かめにいらして下さい。