日本名門酒会 蔵元紹介

蔵の概要

環境

環境

月山の雪解け水が流れる寒河江川。自然の豊かな恵みにより高品質の酒米と清冽な水によって美酒を醸します。

日本一のさくらんぼの里として名高い山形県寒河江市。東に奥羽山脈と蔵王、西に出羽三山の一つ、標高1980mの月山と朝日連峰を仰ぎ、その雪解け水が集まった清冽な寒河江川と最上川が街の中心部を流れます。山々に囲まれた盆地ゆえに、四季はメリハリのはっきりした表情を見せ、昼夜の寒暖差が大きいため、良質の果物や米を始めとする農産物が豊かに実ります。平安時代には藤原氏により寒河江荘が置かれ、中世には大江氏が築いた寒河江城の城下町として発展、江戸期には幕府直轄の天領となり、歴史も深い街です。その市街地中心部に蔵元はあり、木造蔵の一部は江戸時代の仕込み蔵の面影を残しています。


歴史

歴史

昔の趣を残す酒蔵の一角

蔵の創業は元禄9年(1696年)。初代・大沼惣左エ門により山形市内で酒造りをはじめたと伝えられています。幕末の動乱期に一時、家運衰退しましたが、8代目・大沼保吉の代に「寿」の名声が高まり、当時としては驚異的な4,500石を製造、山形に2工場を設立し、また寒河江で元禄末期創業の石山蔵を引き継ぎ増改築し、寒河江工場としました。この寒河江の蔵が大正期に分家独立し、現在に至ります。寒河江に進出したのは、この地に湧く「東北の宮水」と呼ばれる酒造に最適な硬水と、栽培されていた酒造好適米《豊国》を求めてのこと。《豊国》は一時姿を消した幻の米でしたが、1990年に種籾を入手し復活栽培、以来、地元酒米耕作者とともに米作りから携わっています。1972年にチェリーワインの試験醸造に着手し、1982年には西川町の酒蔵を継承し月山トラヤワイナリー虎屋西川工場を設立、「月山山麓トラヤワイン」を製造販売しています。


造り

造り

毎日杜氏蔵人によって櫂を入れもろみの状態を確認。赤子のように大事に醸します。

製造は一貫して手造りを守っています。原料米は山形産を使用。米作りにも力をいれ、2つの酒米耕作者グループ「豊国耕作者の会」「大江酒米研究会」とともに、米の品質から議論し合い、良質の酒米を栽培しています。その約8割を自家で等厚精米するなど、原料処理から麹、酒母、醪管理に至るすべての工程に蔵人の手が入る、丁寧な仕込みで酒にしていきます。仕込み水には月山の雪解け水による寒河江川の伏流水(硬水)と、西川工場の月山地下水(軟水)を使用し、目的とする酒質にあわせて使い分けています。日本酒造りの基本に忠実な伝統の味を大切にする一方で、低アルコール酒や新しい麹、酵母を用いた酒にも挑戦しています。


味わい&合う料理

食

山形の秋の風物詩。秋になると河原では多くのグループが芋煮会を開き日本酒を飲みながら談笑しています

山形酵母特有の品のある香りとやわらかい味わい、サラリとした後口の淡麗辛口です。

蔵元おすすめ酒に合う地元のうまいもん

虎屋の芋煮
山形の秋の風物詩 芋煮会。それぞれの家庭で具材も少しずつ違いますが虎屋では里芋、牛肉、こんにゃく、ネギだけのシンプルな醤油味。純米料理酒千代之味をたっぷり入れてこくのある味わいも仕上げます。ぬる燗の「寒河江之荘」や「冷やおろし」などがお勧めです。


周辺情報

慈恩寺 天平18年(746年)に開基された東北随一の名刹。江戸時代には幕府から2,812余石の御朱印を受けて巨刹となり、境内には国の重要文化財の指定を受けた本堂、十二神将などがある。また、約1200年の歴史をもつ一子相伝の舞楽・慈恩寺舞楽は国指定重要無形民俗文化財。

御輿ギャラリー 毎年9月15日に行われる寒河江まつり“みこしの祭典”の様子がわかる。寒河江駅前。

さがえ観光公式ガイド

山形県観光情報ポータル「やまがたへの旅」