蔵の概要
あきしか
秋鹿酒造(有)
環境
国指定天然記念物、野間神社の大けやき。町内各地の寺社には茂るイチョウの大樹とともに、この土地の悠久の時を静かに語っています。
蔵のある能勢地方は大阪府の最北端、兵庫県と京都府に挟まれ、丹波山地の入り口に位置する海抜250mの盆地です。北摂連山の大パノラマが四方を囲み、棚田が山裾を彩り、山々からの清流が田畑を潤す美しく静かな田園風景が広がります。各所には古墳が点在、縄文・弥生時代の埋蔵物も発掘され、日本書紀や万葉集にも能勢という地名が記されるなど、古くから拓かれた土地でもあります。夏期の気温は大阪市より5℃も低く昼夜の温度差は10℃以上、一方、冬の極寒期には氷点下5℃以下に下がることもしばしば、という盆地特有の気候ゆえ、良質な米作り・酒造りには最適な土地柄となっています。
歴史
棚田で育つ酒米。
「秋鹿」の創業は明治19年。蔵元はもともと能勢地方の庄屋の家系で、創業者奥鹿之助が酒造業の免許を取得し分家したのが始まりです。能勢の最も良い季節である秋と自分の名の鹿をあわせて酒銘にしました。平成に入って間もなく、《山田錦》栽培の第一人者と言われた大阪局鑑定官室長・永谷正治氏の指導のもと、蔵元主導による《山田錦》栽培を他に先駆けてスタート。酒米がいかに酒質を左右するかを熱く説く永谷氏も、この土地柄が《山田錦》栽培に最適だと太鼓判を押し、食管制度の撤廃を機に町内の農家とともにシャトー型の米作りを本格的に始めました。20年を経た現在も、永谷氏の意志を継ぐ蔵元と有志農家が、秋鹿の酒となる《山田錦》や《雄町》を栽培し続けています。
造り
低タンパクの良質な酒米に育ちます。
「秋鹿」の特徴は酒の原料である米に対するこだわりです。夏に社員全員で米づくりを行い冬に酒造りをするシャトー型の酒造りを始めて20年。2008年現在、自営田と近隣町内の農家による契約栽培を合わせて、作付け面積は25ヘクタールに広がりました。そこで栽培された良質な酒米を使って、純米酒のみを醸造。精米歩合や貯蔵年月による違いが、各商品の違いとなります。低温長期醗酵させるため酸はかなり蓄積されていますが、低タンパクの《山田錦》を使用しているため、熟成を重ねると飲み応えのあるコクが出てきます。
味わい&合う料理
深い米の旨みと、キレのある辛口酒。低蛋白の《山田錦》を使用しているため、熟成を重ねると飲みごたえのあるコクが出てきます。
蔵元おすすめ酒に地元のうまいもん
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周辺情報
200年の歴史を持つ浄瑠璃
野間の大けやき 能勢町内各地の寺社にはいちょうの大木が繁り、「野間の大欅」と称する樹齢1000年以上の大樹は国の天然記念物に指定されています。
人形浄瑠璃 200年の歴史を持った浄瑠璃があり、町内に「浄るりシアター」も誕生。若者達が人間国宝の指導によって人形浄瑠璃へと進化させ、鹿角座と称し各地へ出張公演も行われています。