原料別の種類
麦焼酎
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麦焼酎はその昔、元寇の折に中国から朝鮮半島経由で、壱岐に伝来したといわれます。その後、福岡県、大分県など北九州地方に普及していきました。麦焼酎には、米麹と麦で造る伝統的な「米・麦製」と、麦のみで造る「純麦製」があります。
米焼酎(球磨焼酎)
熊本県人吉盆地・球磨地方で造られる米焼酎を、特に「球磨焼酎」と呼びます(コニャック地方のブランデーをコニャックと呼ぶのと似た感覚)。北九州の清酒造りの影響で、米麹と米で造られるようになり、江戸時代から「球磨焼酎」の名で親しまれてきました。清流・球磨川の水と良質の米、伝統の技が一体となり、良質な米焼酎が生まれます。
芋焼酎
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鹿児島産芋焼酎の原料として代表的なサツマイモ、コガネセンガン。
芋焼酎は九州南部の鹿児島県や宮崎で主に生産されます。中でも焼酎王国・鹿児島県は、生産量・消費量ともに全国1位。その昔、米作りには適さない土地柄だったため栽培された甘藷(さつまいも)が原料となっています。甘藷の風味とソフトな甘さが魅力で、その特徴は原料となる芋を厳選する工程にも左右されます。
黒糖焼酎
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原料となる黒糖の固まり
「和製ラム」とも呼ばれる黒糖焼酎の原料はサトウキビ。サトウキビの茎を搾り、煮詰めてできた黒糖を、米麹を使い発酵させて蒸留して造られます。鹿児島県の奄美諸島のみに製造が許されている焼酎です。原料を同じくするラムに似た風味で、甘くやさしく芳醇な味わい。
泡盛
沖縄県だけに製造が許されている特産「泡盛」は焼酎のルーツと言われています。タイ米と黒麹を用いた米麹のみで仕込まれるのが特徴。3年以上熟成させたものは古酒(クース)と呼ばれ、貴重な風味として珍重されています。
そば焼酎
昭和48年に、宮崎県の雲海酒造で開発されました。しばらく宮崎県の高千穂・五ヶ瀬、日之影など「奥日向三町」が主産地でしたが、近年では長野県など他県でも生産・販売されています。
粕醪取(かすもろみとり)焼酎
酒粕を原料にした焼酎で、本州のみで造られています。酒粕を水にとかし、これに酒母を加えてもろみを造り、発酵・蒸留したもの。カストリ焼酎とは、醪(もろみ)を造って発酵させる点が違います。清酒メーカーで造られる焼酎に多いタイプです。