第3回
8月
ながらがわ じゅんまいしゅ
長良川 純米酒
[岐阜県各務原市]
旨味と酸味のバランスよくスッキリ、キレよい純米酒
720mlコース
生貯蔵酒
- 【予定値】
- 原料米/あさひの夢(岐阜県)・ひだほまれ(岐阜県)
- 精米歩合/掛米65%・麹米55%
- 仕込水/木曽川水系長良川伏流水
- 酒母/普通速醸酛
- 酵母/岐阜G酵母
- アルコール度/14度以上15度未満
- 日本酒度/+5.0(予定)
- 酸度/1.8(予定)
- アミノ酸度/1.0(予定)
- 杜氏/金武直歩(蔵元杜氏)
蔵元外観
蔵元について 「飛山濃水」という言葉をご存じですか? 北部は山がちな飛騨国、南部は幾筋もの川が潤す豊かな平野が広がる美濃国を意味する岐阜県を表現した言葉です。岐阜県の南部、岐阜市の東側約10㎞に位置する各務原市は、日本三大清流のひとつ長良川の中流域に位置し、南には木曽川が東西に流れる田園の街。織田信長を筆頭に、戦国武将に縁が深い街でもあります。近年では、自衛隊岐阜基地などに関連する航空関連の工業都市として発展してきました。
その長良川流域南部に広がる農業地域の一角に「長良川」蔵元はあります。創業は明治27年(1894年)、岐阜県唯一の酒造好適米「ひだほまれ」を中心に使用し、酒蔵内にヒーリング音楽を終日響かせてお酒の発酵や熟成を促し、米の旨みを最大限引き出した「旨みある酒」を醸しています。現在では五代目蔵元・金武直歩氏が杜氏となり、より良い酒造りを追求しています。
金武直歩社長
蔵元が考える"爽快"なお酒とは……
〝五味〟と言われる要素がバランスよく備わっている酒
旨味も酸味もバランスが良いお酒が〝爽快〟なお酒と考えています。飲みやすさと旨味とのバランスを取るため、しっかりとお米を溶かしてお米の旨味を引き出すことを基本設計としました。特に麹米は、昨年新設した麹室で「総破精型」の糖化力のある麹を造り、しっかりと旨味を出しました。その後、新設の冷蔵庫でじっくりと貯蔵します。
使用米は岐阜県独自の酒造好適米「ひだほまれ」を麹米に使用し、掛米は岐阜県内の多くの酒蔵で実績のある「あさひの夢」を使用しました。酵母も岐阜県が開発した酵母で、発酵力と上品な香りが特長の「G酵母(岐阜酵母)」を使用しました。
麹米の精米歩合を掛米よりも高精白にした「精米差仕込み」にも挑戦し、お米のコクがしっかり溶け出しながら、旨味と酸味のバランスでスッキリと感じられ、後味がやわらかくキレていく飲みやすい純米酒に仕上がりました。
ラベル絵と蔵元周辺散策 長良川といえば鵜飼
岐阜名物さまざまあれど、やはり長良川といえば「鵜飼」でしょう。毎年5月から10月にかけて行われる「長良川の鵜飼」は1300年以上の歴史を持ち、夏の夜を彩る幻想的な光景を目当てに、全国各地から10万人以上の観光客が押し寄せます。近年は外国人からの人気も高まっており、2005年には日本遺産に登録されました。
鵜飼の歴史は古く8世紀に書かれた「日本書紀」に登場します。織田信長も見物し鵜匠の名称を授けました。家康は石焼の鮎を堪能し、江戸城に献上するのが例となったといわれています。現在は岐阜市の長良川鵜飼と関市の小瀬鵜飼が宮内庁の鵜匠によって行われています。鵜匠は岐阜県に6名、関市に3名いて世襲制だそうです。