第2回
7月
てんらんざん じゅんまいげんしゅ
天覧山 純米原酒
[埼玉県飯能市]
味の幅、香味バランスよくスカッと飲める、低アルコール純米原酒
720mlコース
瓶貯蔵酒
- 【予定値】
- 原料米/彩のきずな(埼玉県)・五百万石(新潟県)
- 精米歩合/掛米65%・麹米55%
- 仕込水/荒川水系高麗川伏流水
- 酒母/普通速醸酛
- 酵母/埼玉G酵母
- アルコール度/14度台
- 日本酒度/-3.0(予定)
- 酸度/1.5(予定)
- アミノ酸度/1.0(予定)
- 杜氏/小林清司(南部杜氏)
蔵から望む風景
蔵元について 埼玉県南西部。東京都青梅市の北に位置する飯能市は、江戸時代には木材の産地として栄えた奥武蔵野の玄関口です。西に隣接する狭山市(埼玉県)は、映画「となりのトトロ」の舞台ともいわれています。
この緑豊かな街で、明治30年(1897年)に創業。初代は新潟県中頸城郡の出身で東京地酒の雄として名高い「澤乃井」の小澤酒造で杜氏を務めていた経歴の持ち主。独立する際に、酒造りの環境に適したこの地を選定。蔵は名栗川(入間川)と成木川の合流点にあり、豊富な水に恵まれており、最高の自然環境の中で美酒が醸されています。
初代の独立精神を継いでいるのか、兄の五十嵐正則氏が「天覧山」を、弟の智勇氏が埼玉県川越の「鏡山」小江戸鏡山酒造(株)にて代表を務めている珍しい蔵元です。
五十嵐正則社長、小林清司杜氏
甑・蒸米、蔵人達
蔵元が考える"爽快"なお酒とは……
真夏の光り輝く青空の下、白球を追いかける野球場で、スカッと飲める酒
アルコール度数を通常より低い、14度台の原酒に設定しました。麹は純米吟醸クラスのものを使用し、地元産の米を大事にしたいとの考えから、埼玉県が9年の歳月を掛けて開発した旨味の多い米「彩のきずな」を使用して、味の幅、香味のバランスがいい味わいにしました。酵母は埼玉県が開発した華やかな香りを出す「埼玉G酵母」を使い、上槽後速やかに火入れを行いました。
近年、低アルコール酒造りにチャレンジをしてきましたが、今回はよりバランスの取れた味わいになるよう細心の注意を払いました。ヘビーユーザーでなくても、爽やかで美味しく飲める酒を目指しました。
ラベル絵と蔵元周辺散策 日本一の鉄の大ワラジ
酒銘は飯能市街地を見下ろす「天覧山」にちなみます。明治天皇からその名を受け、標高こそ低いものの飯能市・奥武蔵・奥多摩遠く富士山を望め、最近はハイキングコースとして親しまれています。また、近くには2019年に本拠地のフィンランド以外では初の進出となる、ムーミンのテーマパーク「ムーミンバレーパーク」が開業し、大きな注目を集めています。
飯能市街から入間川を遡った先の山頂にある子ノ権現・天龍寺は、武蔵野三十三観音霊場三十二番札所であり、古くから足腰守護の神仏として広く信仰を集めている古刹。境内にある重さ2トンの「日本一の鉄わらじ」はシンボル的な存在として有名です。