第3回
8月
こしのほまれ じゅんまいしゅ
越の誉 純米酒
[新潟県柏崎市]
新潟の名峰・米山からの水で醸す、炭酸ガスが涼やかな純米酒
720mlコース
瓶貯蔵酒
- 【予定値】
- 原料米/こしいぶき(新潟県)・たかね錦(新潟県)
- 精米歩合/掛米90%・麹米50%
- 仕込水/米山の伏流水
- 酵母/新潟酵母
- アルコール度/16度
- 日本酒度/±0
- 酸度/2.2
- アミノ酸度/1.5
- 杜氏/石黒芳和(越後杜氏)
お酒について蔵元は、新潟県中越沖地震以後、酒蔵を再建し、設備の充実を図る一方、新しいタイプの日本酒造りにも積極的です。今回お届けする頒布酒は、麹米には精米歩合50%の「たかね錦」、掛米には「こしいぶき」を90%精米で組み合わせた純米酒に挑戦しました。濃醇な味わいに炭酸ガスの涼やかさが感じられる純米瓶貯蔵酒をお届けします。
「越の誉」蔵元 文化11年(1814年)創業
蔵元について蔵元のある新潟県柏崎市は、江戸時代から明治時代の初めまで、日本海・瀬戸内海を通り、北海道と大阪を結んでいた北前船が寄港する漁港として、また北国街道の宿場町として栄えた街です。
『越の譽』は創業以前、塩をつくるための鍋の製造と修理などを生業としていたことから、屋号を「なべや」といいました。そんな蔵元に最初の試練が訪れます。明治44年(1911年)柏崎大火によって全焼したのです。破産寸前から立ち直った蔵元は、やがて新潟屈指の蔵元へと成長し、新潟出身の田中角栄総理時代、日中国交正常化の晩餐会で、乾杯酒の栄誉に輝きました。
しかし、そんな蔵元にまたしても試練が訪れました。平成16(2004)年の新潟県中越沖地震で、蔵が倒壊したのです。それでも、蔵元は力強く立ち上がり、以前にもまして素晴らしい日本酒を造っています。
原社長(左)と石黒杜氏(右)

米山の伏流水
柏崎から望む残雪の米山
柏崎市がある柏崎平野は、米山、刈羽黒姫山、八石山の刈羽三山に囲まれていますが、大きな川がないことから市街化が進むにつれて、水不足が深刻になりました。そのため、『越の譽』の蔵元では、20年ほど前から刈羽三山の最高峰・米山(992.5m)の伏流水を使用するようになりました。
米山の雪が解け始める春。山腹には残雪の形「雪形」が現れます。そのひとつ、「すじまき爺さん」は苗代づくりを始める時期を、「鯉形」は鰯漁の始まりを告げます。この「鯉形」の形がいいと、その年は豊作になるともいわれています。