
熊本県の最南端に位置する人吉・球磨地方は、九州山系の山々に囲まれた盆地にあります。周囲の山々からの清らかな水が集まり流れる清流球磨川は、日本三大急流の一つ。
盆地特有の寒暖差の激しい気候と山紫水明な風土が育んだ豊かな大地は、熊本でも有数の米どころであり、米を原料とした本格焼酎「球磨焼酎」の誕生につながりました。
室町時代には始まっていた球磨地方の米焼酎造り
人吉球磨地方でいつから米焼酎造りが行われていたのかは、正確には不明ですが、約500年前の室町時代には米焼酎造りは始まっていたと言われています。当時、この地を治めていた相良氏は、東南アジアや大陸と活発に交易しており、蒸溜技術が持ち込まれたことが焼酎造りのきっかけになったのではないかとされています。
世界に誇るべき文化「球磨焼酎」
人吉球磨地方は温暖な地であるため日本酒造りには適しておらず、焼酎が広まり、人々の心を魅了していきました。以来、銘柄の味を大きく左右する造り手である杜氏たちは、先人から受け継いだ蔵の味を守り、新しいものを模索しながら、地域の誇るべき文化である「球磨焼酎」を丹精込めて造り続けています。
「球磨焼酎」は、1995年に「壱岐焼酎」「薩摩焼酎」「琉球泡盛」とともに、WTOのトリプス協定に基づき地理的産地(GI)に指定され、国際的にブランドが保護されています。現在、人吉・球磨地方には27の蔵元があり、それぞれ個性と魅力にあふれる多様な味わいを造っています。