日本名門酒会 蔵元紹介

蔵の概要

環境

環境

奈良公園の鹿。鹿は春日大社の神使とされ、古くから保護されてきた。飼育されているのではなく野生鹿で、国の天然記念物に定められている。

奈良県の北部に位置し、天平文化が花開いた古都・奈良は、東大寺や春日大社など世界遺産も多く存在する歴史的な街です。日本酒の歴史を語る上で欠かせない土地でもあり、室町時代、興福寺の僧坊による酒造りの中で、麹米・掛米ともに精白した白米を用いたことから奈良酒は「南都諸白」と呼ばれ、低温加熱殺菌する火入れ、菩提モトと呼ばれる酵母の培養法、段仕込みなど、今の酒造技術の基礎が編み出されました。また、蔵元から約30分の桜井市には、酒の神様を祀り「杉玉(酒林)」を授与している三輪明神大神神社もあります。その悠久の歴史を伝えるかのように野生の鹿がゆったり生息する奈良公園のほど近く、江戸時代の街並みを残す白壁の土蔵や格子戸の町屋が並ぶ閑静な佇まいの「ならまち」の一角に、蔵元はあります。


歴史

歴史

酒蔵エントランスホール。酒蔵ショップも兼ねており、試飲も楽しめる。

蔵の創業は明治17年(1884年)。明治に造り酒屋として独立するまで、蔵元の今西家は春日大社の神人(じにん)として47代・千三百年にもわたり酒造に携わってきた家系。今でも春日大社との縁は深く、3月13日に行われる日本三大勅祭である「春日祭」に供御される白貴(しろき)は、昔ながらに春日大社内の酒蔵「酒殿」で醸すため、杜氏、蔵人が赴きます。酒銘は、春日の神々が鹿に乗ってやってきたという伝説から「春日神鹿(かすがしんろく)」と名付けられ、のちに『春鹿』となりました。昭和60年、まだ甘口の酒が多かった時代に日本酒度+12という『純米超辛口』を発売。ただ辛いだけでなく幅のある旨みの超辛口は、酵母の限界に挑戦した杜氏の技が生きる名酒で、今に至る評価を確立しました。平成3年(1991年)には最新の醸造設備を投入し、蔵を大改装、21世紀の酒造りへの環境を整えました。


造り

造り

ロングセラー『純米超辛口』

「伝統とは革新にあり」の家訓のもと、「米を磨く、水を磨く、技を磨く、心を磨く」の信念に基づき、まろやかな口当たりでキレの良い旨酒を目指しています。まだ甘口の酒が多かった時代に日本酒度+12の『純米超辛口』を発売、2000年に入ってからは発泡純米酒『ときめき』にも挑戦するなど、常に前進しながら、先進技術と高品質を誇った奈良酒「南都諸白」の伝統を現在に伝えています。また、近年では木桶造り発祥の地である奈良で『木桶仕込み純米酒』を復活させ、味わいの違う3種類の限定酒を販売。「春鹿」の酒は、現在、国内はもとより欧米・アジア圏など海外数十カ国に輸出され、人気を博しています。


味わい&合う料理

食

春鹿の奈良漬け

華やかな香りと米の甘みが調和した大吟醸や辛口の極限まできわめたコクとキレが自慢の超辛口純米を中心に、全体的になめらかですっきりとした口当たりが特徴です。

蔵元おすすめ酒に合う地元のうまいもん

春鹿の奈良漬け 春鹿の酒粕で作った奈良漬は野菜の甘味、旨味を残しながら、さっぱりとした口当たりでご飯のおともやお茶うけはもちろん、お酒のつまみとしても美味しくいただけます。春鹿の奈良漬には定番商品『春鹿 純米超辛口』がピッタリ合います。

奈良の地鶏「大和肉鶏」 135日以上飼育(ブロイラーは80日)されたものを使用し、塩のみの味付けで炭火で焼き上げた「大和肉鶏 炭火焼」は噛みしめると鳥の旨味がジュワッとあふれ出します。これには『山廃仕込 辛口純米原酒「鬼斬」』がおすすめです。


周辺情報

奈良町 奈良市の市街地南に広がる江戸・明治・昭和前期の町屋が立ち並ぶ地域で、蔵元もここにある。平城京の外京として多くの社寺が置かれたことに始まり、東大寺や春日大社の門前町として活況を見せた。周辺には世界遺産に指定された「興福寺」「元興寺」をはじめ、古い民家を改造した雑貨店や飲食店などもあり、多くの観光客で賑わう。

奈良市観光協会

「なら旅ネット」奈良県観光公式サイト